震災がつなぐ全国ネットワークの分科会として全国各地で仮設住宅支援を行っている団体が集まる仮設支援連絡会が発足しています。各地の仮設住宅への支援に関するレポートをお伝えします。
ROADプロジェクト東京事務局 頼政良太
過去のレポートはこちら↓
http://blog.canpan.info/shintsuna/category_39/
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〜米沢の今〜
福島県の方々が多数避難している米沢市に行ってきました。米沢市には8月30日現在、約1000世帯3400人の方が避難してきています。行政から避難者数の発表はあるものの、出入りが激しいため正確な人数は把握できていないようです。
米沢市では、避難者支援センターを立ち上げ避難者の相談窓口となっています。原発事故の影響で避難している人たちはそれぞれ事情も違うため、相談内容も多岐にわたっています。この避難者支援センター「おいで」に登録をすれば、支援情報を手に入れやすくなりますし、ボランティアもこの「おいで」と密に連絡を取っています。ボランティアが主催するお茶会やバザーなどのイベントにも頻繁に支援センターの方が顔を出しているそうです。
元々米沢に避難していた人たちは南相馬市出身の方が多くいらっしゃいます。南相馬市と一口に言っても、20キロ圏内、30キロ圏内、それよりも外側という3つの区切りがあり、それぞれの地域などによって事情が異なっています。また最近では福島市から避難している人たちが増えているそうです。南相馬の人たちよりも福島市からの人たちの方が現在では多いそう。福島市は、原発の30キロ圏内ではないが風向きによって放射線量が高くなっている地域で、特に幼い子どもを抱えるお母さん方が避難しているケースが多いです。
同じ福島からの避難者と言っても、全く入れない地域なのか自主避難なのかで保障の内容も違っているし、ひとくくりにすることは出来ない。南相馬市からなのか福島市からなのかというところでギャップを感じている人も多いようです。福島県内に残っている方と県外に避難している方々との間にも深い溝があるそうで、考え方の違いで逃げるように県外に避難してきたという方もいる。
原発事故によって家に帰れなくなったばかりか人間関係までもがぐちゃぐちゃになってしまっています。県外に避難している方々は一人ひとり事情が異なります。そういった人々ひとりひとりに丁寧に寄り添い、声を聴いていくことが大切なのではないでしょうか。